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異界痛快

冲方 丁 
バイバイ、アース

今、こいつを読んでいる。
マルドゥクヴェロシティではまった。
マルドゥクスクランブルを遡って読み、そんで最近刊行されたこいつを読んでいる。

なるほどなぁ。と思いつつ。
半分はあざといなぁと思いつつ。

マルドゥクから読み始めたオレからすれば、あのハードボイルドの空気が好きなんであって、少女が主人公であることにいささか抵抗を感じる。
それは、あくまでも個人的な趣味なんであって、著者が個人的な趣味で少女を主人公にしているのなら、まぁそれはそれでいいのだけれども。
それでもやっぱりこの作品がファンタジーでもあるだけに主人公が少女であるという設定に恣意的なものを感じてしまうわけだ。

人に読んでもらうためにはこういう妥協も必要か。
いやしかし、問題はオレにそんな少女を主人公とした作品が書けるかどうかという問題はあるか。
そんなことを思いながらつらつらと日記を書いている。

そうそう。異界の話だ。
異界というのは、人(とは限らないけど)が極限的な状況に陥りやすくするための舞台装置である。
その舞台装置が特殊であれば特殊であるほど、主人公の異界での特殊さが際立つという構造を持っている。
例えば、異界の中でもとびきり特殊な登場人物というのもありだろうし、逆に異界の中だからこそ普通っぽさが特殊に映えるという逆説的な構造も可能だろう。
そういう意味において、SFというものはかなりフレキシブルに物語を構築できる。
問題は、その異界そのものを一から構築しなければならないため、相当な労力を費やしてロジックを組まなければ陳腐なものに成り下がるということだ。

このバイバイ、アースという作品の裏表紙にはこの冲方 丁という作家を表わす言葉が踊っている。
「異能の世界構築者」
なるほど。と思う。
マルドゥクシリーズにしても、このバイバイ、アースにしてもかなり特殊な異界を作り出している。
その中で自分のあり方を模索して足掻き続ける登場人物達が描かれている。
そういう意味では読み応えのある作家だと思う。
少女が主人公であるということを除けば(どんだけそれにひっかかってんだよ

オレはたまたま逆からこの作家の作品を読んでいった。
最新のものが一番好きだった。
これから先、大衆をあまり意識しなくとも面白い作品だからという理由でこの人の著作物は大丈夫だと思う。
是非ともハードボイルドで貫いて欲しいなぁと思う今日この頃。